認知症の種類
認知症にはいくつかの種類があり、最も多いのがアルツハイマー型認知症で、全体の約6割を占めます。次に多いのが脳血管性認知症で、脳卒中などが原因となります。その他にも、幻視や運動障害を伴うレビー小体型認知症、人格変化が目立つ前頭側頭型認知症などがあり、それぞれ症状や進行の仕方が異なります。
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アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβやタウたんぱくが蓄積し、神経細胞が損傷・減少することで記憶障害や判断力の低下が進行する病気です。高齢者に最も多く見られ、進行性かつ根本的な治療法が確立されていないことが課題です。近年、アーユルヴェーダ由来のハーブ「バコパ(Bacopa monnieri)」が注目されており、その有効成分であるバコサイドには、神経細胞の保護、抗酸化作用、神経伝達の促進といった働きがあるとされています。国内外の臨床研究では、バコパの継続摂取が記憶力や注意力の維持に効果を示す例もあり、アルツハイマー型認知症の予防的アプローチとしての可能性が期待されています。
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脳血管性認知症
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などによる脳の血管障害が原因で起こる認知症です。記憶障害に加え、判断力や注意力の低下、感情のコントロールが難しくなるなどの症状が見られ、発症部位や範囲によって症状にばらつきがあります。段階的に進行することが特徴です。予防には、血圧管理や生活習慣病の改善が重要とされます。バコパは抗酸化作用や血流改善、神経細胞の保護効果が報告されており、脳のダメージ軽減や認知機能維持の一助として期待されています。
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レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、脳内にレビー小体という異常なたんぱく質が蓄積することで発症します。特徴的な症状として、認知機能の変動、 実際にはないものが見える幻視、パーキンソン症状(手の震えや動作の緩慢)などが挙げられます。記憶障害よりも注意力や空間認識の低下が早期に現れることが多いのも特徴です。進行すると日常生活に大きな支障をきたします。バコパには、神経伝達の調整や抗酸化作用、神経細胞の保護効果があるとされ、認知機能の維持や精神的安定の補助として有望視されています。
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前頭側頭型認知症(FTD
前頭側頭型認知症(FTD)は、前頭葉や側頭葉の神経細胞が変性・萎縮することで発症する認知症です。人格の変化や感情の抑制が利かなくなるなど、行動異常や社会性の低下が初期から目立ちます。記憶障害は比較的遅れて現れることが多く、若年での発症も少なくありません。現在、有効な治療法は確立されておらず、症状への対処療法が中心です。バコパは、神経細胞の可塑性を高め、精神安定や認知機能の維持に役立つとされており、補完的アプローチとしての可能性が注目されています。